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最悪の鬱映画『ダンサーインザダーク』を解説

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ダンサーインザダーク

 

2000年にデンマークで公開され、あのカンヌ国際映画祭で最高賞であるパルムドールを受賞した、まごうことなき名作映画。

しかしこの映画の評価は賛否両論であると言われ、「人生で最高の作品だ」と言う人もいれば、「もう二度と観たくない」という人もいる評価が分かれる作品である。

 

 

今回は簡単なあらすじとこの映画がどのような作品であるかを紹介していく。

 

 

 

あらすじ(少しだけネタバレあり)

舞台はアメリカのとある田舎町。

 

物語の主人公であるビョーク演じるセルマはチェコからの移民で一人息子のジーンと二人で裕福ではないながらも幸せに暮らしていた。(作中ではジーンの父親にあたる人物について触れられることはない)

 

セルマは自分と息子の生活のために町工場で働き、仕事が終わると内職をすることでなんとか生計を立てていた。

セルマはミュージカルが大好きで、ミュージカル女優として日々舞台稽古に励んでいた。

 

セルマに何かと気にかけて助けてくれる同僚キャシー、セルマに思いを寄せるジェフ、警察官で自宅の隣のトレイラーにセルマたちを住まわせてくれているビルとその妻に支えられ、平穏な生活を送っていた。

 

 

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いつも明るく笑顔を絶やさない彼女はこの物語の“ダーク”である部分、秘密を抱えてい
た。それはセルマは生まれつき、視力を徐々に失っていく、先天性疾患を患っていること、その疾患は愛する息子ジーンにも遺伝すること。

 

 

 この疾患が原因で少しずつ歯車が狂ってゆく。

 


 

解説

 

この物語を一言で表すなら

「とにかく救いがない」

 

ふつうの物語であれば、どれほど辛いことがあってもそれを乗り越えた先に

希望がある。

 

しかし、この映画では主人公が完膚なきまで非情で残酷な運命を辿る。

正直観ているのも辛くなるほどに、暗く、光がない。

 

 

この作品の特徴としてミュージカル風のダンスパートがある。

このダンスパートはセルマの頭の中の妄想であり、現実逃避である。

妙に陽気で明るい音楽で歌われるセルマの現実逃避が更に現実世界の影の濃さを際立たせている。

 

衝撃のラストシーンは視聴者の心をどん底まで引きずり込んでくれるだろう。

 

 

 

最後に

 

私はこの作品を怖いもの見たさで観たが、1週間はずっと心が沈んだままでした。

ハッピーエンドが好きじゃない人、悲しい物語が好きな人にはぜひオススメです。

 

それではまた次の機会に。