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大学院に進学するということ

 

小学校、中学校は義務教育として教育基本法第4条に規定された全国民が共通して就学するものである。

 

現在の日本の高等学校進学率は98.1 %であり、イギリスの89.3 %、アメリカの90.3 %と比べて高い水準にある(1)

文部科学省が公表した2019年度学校基本調査結果によると、大学・短大進学率は58.1 %であった(2)

 いまや2人に1人は四年制大学に進学する時代ということである。

 

 

ところで皆さんは「大学院」をご存じだろうか。この記事に辿り着いているということはおそらく存じ上げているいるだろうが念のために説明すると、

大学におかれ,学術理論および応用教授研究する機関

簡単にいうと大学の次の学校だ。

 

大学院には修士課程と博士課程の2種類があり、修士課程が2年、博士課程が5年ある。さらに博士課程は博士前期課程の2年と博士後期課程の3年に区分されるものと、5年一貫制の2種類がある。

(博士前期課程を修士課程を見なすことが多い)

 

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 2人に1人が四年制大学に進学する現在、大学院への進学率は5.5 %、博士後期課程に至っては0.7 %となっている(3)。低い。

 

そんな「大学院」に進学するかどうか迷っている学生も多いことだろう。学部生は基本的に研究室やゼミに配属されるまで院生と交流する機会がほとんどなく、大学院がどんなものかよく分からない人が大半である。

 

現在大学院に通っている私が「大学院に進学するということ」について語っていく。

大学院を考えている人も、そうでない人も、少しでも参考になれば幸いである。

 

 

 何をしてるの?

大学3年までと研究室に入ってからではやることがまるで違う。

大学3年までは座学で広い分野を学び、試験に合格することで単位を貰う。

しかし、研究室ではある研究テーマについて研究を行い、大学4年生は卒業論文を、修士課程では修士論文を、博士課程では博士論文に合格することで修了が認められる。

 

大学は教育機関だが大学院は研究機関というイメージで間違いないだろう。

 

現役大学院生の私の普段の1日の流れがこんな感じ

 

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私の研究テーマは実験系であるため、基本実験とそのデータまとめ、報告書作成などがいつもの仕事である。

普段は一般的な社会人と同じような勤務時間

しかし、学会や修士論文提出間近になると話は違う。

これは今年の冬の私のタイムスケジュールである。

 

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朝の8時から夜の4時まで飯の時間以外はすべて実験やデータ整理に費やしていた。研究室には寝袋を持ち込み、大学内のシャワー室でシャワーを浴び、実験室で寝るという生活。

(この生活を1か月半続けていた) 

 

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私の例は少し極端かもしれないが、大学院生の学生生活は学部までの楽しかった学生生活とは全く異なるものになることは覚悟しておかなくてはいけない。

「大学院生に人権はない」

 

 

進学するメリット

・自分の専門を深めることができる

そのために進学する

 

・研究職に就職することができる

研究職として採用されるには修士、博士はほぼ必須といってもいい。

将来的に研究職に就きたいと考えている人は大学院に進んだ方が良いだろう。

 

・学生期間が延びる

学生期間にやり残したことがある人は大学院に進学してそれをやりきることができる。

大学院生にそれほど時間があるかは定かでないが...

 

・視野が広がる

学会で他大学の人と交流したり、企業や研究機関の人と共同研究などを通じて関わり、自分の視野を広げることができる。

様々なステークホルダーと関わることができるのも魅力の1つである。

 

 

進学するデメリット

・社会に出るのが遅くなる

修士課程なら2年間、博士課程なら5年間。

博士号を取って社会に出るころには27歳になってしまう。

社会に出るのが遅くなるということはその分生涯年収が下がるということ。しかも、その年収は入社後のものではなく、定年前の年収である。

定年前の年収が仮に500万だったとして、2年社会進出が遅れると生涯年収が1000万減る。

 

・将来の幅が狭くなる

専門性の高さ故、就職先の選択の幅は狭くなってしまう。また、院卒は学部卒と比較して給料が少し高めに設定されているため、院卒の採用の枠は学部卒よりも少ない場合が多い。

 

・お金がかかる

当たり前だが、決して安くないお金がかかる。

 

 

大学院に向いている人

・研究が好きな人

大学院は研究機関だ

研究が面白いという人はぜひ進学すべきだろう

将来的に研究職に進むという道を拓くこともできる。

 

・マゾ

大学院ははっきり言ってつらい。

あんなところ望んでいく人はマゾだ。

 

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いかがだっただろうか。

 

院進は今後の人生を左右する大きな選択。

自分の将来設計を考え、納得したうえで

ぜひ大学院に進学してほしい。

 

 

参照

(1) 文部科学省「教育指標の国際比較平成21年度」

https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/09/27/1299178_01.pdf

(2) 2019年度(令和元年度)学校基本調査(確定値)結果

https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=00400001&tstat=000001011528

(3) 大学院教育の現状を示す基本的なデータ

https://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/giji/__icsFiles/afieldfile/2017/07/24/1386653_05.pdf