ヤバTって何がそんなに"ヤバイ"の?
先日バイト先の後輩とフェスの話になったとき、後輩がこんなことを言っていた。
「ヤバTのライブ、マジでヤバイんスよ...」
ヤバTのファンなんかになるやつは基本的に語彙力がセキセイインコと同レベル。
話の情報量がほぼゼロ。
俺は流行りものに敏感な奴をダサいと嘲笑するタイプの一番ダサい人間なので、今までヤバTをほとんど聴いたことがなかった。
でも、最近うちの学科の陽キャ(金髪、よさこいサークル、一留)がヤバTの曲をラインミュージックに設定していたり、バンドに全く興味のない友達が車の中で「こいつらマジおもしれえから...」つってヤバTの曲を流し出したりと、どうも世間の様子が変だ。
一時的な流行りと言ってしまうにはあまりに世間に浸透しすぎている。
そこで俺が独自に分析したヤバイTシャツ屋さんの“ヤバ”さを解説していこうと思う。
ヤバイTシャツ屋さんは何がそんなにヤバイのか。
1. バンド名がヤバイ!
まずはこれだろう。
『ヤバイTシャツ屋さん』
〇〇屋さんってワードはふつう二十歳超えた人間の脳から出てくるもんじゃない、幼稚園児の将来の夢とかのやつ。
まずお前らTシャツ屋さんじゃないだろ、目を覚ませ。
ヤバTの凄さは、芸人のようなおもしろ要素を持ったバンドでありながら、ちゃんとアーティストであるところ。
逆に、金爆(ゴールデンボンバー)はバンドじゃなくて芸人寄り。はなわとか波田陽区とかの類。
どっちが優れているとかいうことはないが、ヤバTはストレートなバンドサウンドとそれに似合わないオモシロ歌詞でイロモノでかつ正統派バンドとしての地位を確立している。
2. メンバーがヤバイ!
そう。男女混成グループなのだ。
男女混成グループといえばAAA、セカオワ、ゲスの極みなど陰キャの俺からすると、裏から性の匂いがしてきて受け付けない。絶対メンバー間で誰かデキてる。
でもヤバTを見てほしい。
この安心感。
コミカルバンドのコンセプト上、バンド内に恋愛要素があるといけないのだが、それを感じさせないのが本当にうまい。
こやまとありぼぼのツインボーカルが放つ鬼POP激キャッチ―な曲の数々は男女混声の強みを存分に生かしているだろう。
3. ライブがヤバイ!
ヤバイTシャツ屋さんが世間に出てき始めたのは、「ゲスの極み、乙女」などの奇をてらった名前のバンドが急に増殖し始めた頃で、流行りの変な名前したコミカルバンドという印象だったのを覚えている。
また、当時はキュウソネコカミがコミカルバンドの覇権を握っていた頃で、同じジャンルの後発バンドが売れるにはそのジャンルのトップのケツに食らいつく、窮鼠猫を噛む必要があったのだ。
しかし、ヤバTはいまやキュウソを抜き去るどころか日本のバンドシーンでもトップクラスの人気を誇る超人気バンドとなった。その理由はマーケティングの上手さとライブの上手さに収束されると思う。
コミカルバンドのマーケティングを解説するのは、芸人のボケを解説するようなものなので今回は控えるとして、ヤバTをここまで押し上げたそのライブについて。
ヤバTのファン層は10~20代が中心で、いわゆるライブキッズというやつが多い。
キャッチ―な曲調とは裏腹にライブは激しく、モッシュやダイブでグチャグチャになれる。
大型ロックフェスにも多数出演しており、フェスのトリを務めることもあるほどフェス常連バンドとなっている。今年のヤバTはDEAD POP FESTIVAL、京都大作戦、ラブシャ、サマソニ、ロッキン、メトロックなど大型ロックフェスに全部出てんのかってくらいフェスに出まくっている。
すげぇよ...さすが“ヤバイ”Tシャツ屋さんだぜ...
ヤバT、令和を生きるバンド好きなら絶対にチェックしとくべき。コミカルバンドだから...とか、流行りものは...とか言ってないでぜひ。
今回はここまで、それでは。