RUBBISH-MAGAZINE

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ONE OK ROCKってTaka以外要らなくないですか?

 

 この記事を読者の皆様が読んでいる頃には、僕はもうこの世にはいないことでしょう。お母さん、お父さんごめんなさい。一足先に行かせてもらいます。

 

   この記事が公開されてしまえば僕はすぐさま本名住所電話番号学生時代の卒アル写真から過去の恥ずべき黒歴史に至るまで広大なインターネットの海に晒され、ディッキーズを履いたライブキッズたちによって脳天を9mm Parabellum Bulletでブチ抜かれるのは時間の問題だろう。

 今もまだ恐怖のあまり震えた手でタイピングしている僕だが、誰も言わないのなら僕が言ってやる、それでもし命を失うことになろうとも・・・

 

 

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「ONE OK ROCKってTaka以外要らなくないですか?」

 

 

待ってくれ。

話せば分かる。

まずは話を聞いてくれ。

 

 

 

 

まずはONE OK ROCKというバンドの紹介から

 

ONE OK ROCKとは言わずと知れた日本が誇るモンスターバンド、通称「ワンオク」

老若男女赤ん坊から棺桶まで幅広い世代に愛されており、若者の間では、小学生にとっての妖怪ウォッチ、十代女子にとってのタピオカミルクティー、男どもにとっての明日花キララのような人気っぷりである。

ワンオクのジャンルを"エモ"とすると明日花キララのジャンルは"エロ"、ワンオクが時代に合わせて音楽性をアップデートしてきたのに対して明日花キララも顔面をアップデートしてきた。ここまで来ればワンオクはもうほとんど明日花キララみたいなもんだろう。

 

 

 

そんな明日花キララの初期の楽曲がこちら

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若い。

荒削りだが、若者らしい実直な反骨精神を歌った曲で、バンド特有のガチャガチャ感がある。

インディーズバンドが好きなんてやつは大抵この手作り感、素人感が好きなんじゃないだろうか。

 

インディーズ時代とメジャーデビューアルバムの『ゼイタクビョウ』の楽曲はオルタナティブロックの風を感じる。実際Nirvanaの「Smells Like Teen Spirit」をカバーしてるし、多少なりとも影響を受けているのだろう。

 

 

 

 This is my own judgment!!

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 2010年にリリースされた4thアルバム『Nicheシンドローム』から、ライブでも定番のナンバー、「完全感覚Dreamer」

この曲はメンバー脱退などによる活動休止後、再開する際にリリースされたシングルであり、「ONE OK ROCK」の名を世に知らしめた曲である。この曲のリリースを皮切りにワンオクは一躍邦楽ロック界のスターダムにのし上がったのだった。

 

ラウドでありながら疾走感溢れるエモやメタル、ロックの要素を詰め込んだサウンドと英語と日本語を絶妙に使い分けた歌詞は活動再開後初のリリースとしては十分すぎるほど衝撃的であった。

 

 

 

 

 ワンオクの“海外進出”

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MVの力の入り方が違う。音楽で飯食ってきたおっさん達が真剣に金かけて作ったMVだ、かっこよくないわけがない。

 

この頃にはワンオクの知名度は国内アーティストでもトップクラス。

これは個人的な偏見だが、因数分解できる人間よりもワンオクを知っている人間の方が多いだろう。もっと勉強しろよ日本人。

しかし、「昔の方が良かった」というファンの声が少しずつ大きくなり始めたのもこの時期である。「いやー、昔は好きだったんだけどなあ。最近の明日花キララはなんか興奮しないんだよね笑」うるせぇ。だからお前はいつまでも童貞なんだよ。明日花キララもこの業界入って何年だと思ってんだ、いつまでも素人ものやってられねえんだよ。

 

 

バンドというものは「上を目指している彼らを応援したい」というところも魅力のひとつであって、上昇している感覚に惹かれるファンも少なからずいる。バンド界隈というのはとても狭い市場で、消費者たちも新しいもの好きが多い。いつまでも同じ音楽をやっていては飽きられてしまう。そのため、バンドが上に行くためには"変化"が必要になってくる。

 

既に国内で名実ともに最強のロックバンドであったワンオクは変化を求めた結果、‟海外進出”という結論に至った。ワンオクは結成当初から海外志向が非常に強く、ニューヨーク行きの飛行機のチケットを買って何のあてもなく楽器だけ持って行こうとして断念、というエピソードもあるほど。

ワンオクがこれから日本だけでなく海外に向かって活動していくためには、今までのポストハードコア、ハードなポップパンク、一言でいうなればエモというアメリカでは10年前に流行った‟古い”音楽を捨てる必要があった。

 

こうしてワンオクはロックの力が弱まってきているアメリカの音楽情勢に順応すべく、バンドっぽさを削ぎ落としたポップでキャッチーなサウンドに変化していく。

 

 

 

 

 8thアルバム『Ambitions』より「I Was King」

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「I Was King」って なんだよ。HUNTER×HUNTERのメルエムか、お前は。

 

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アメリカでレコーディングしたせいか、歌詞もサウンドもスケール感が高カロリー。

RADWIMPSの「マニフェスト」という曲の歌詞に『僕が総理大臣になったら…』というフレーズがあるが、そんなの目じゃない。現代の日本国にない国王という概念を出してくる型破りな発想、頭が自由の女神。

 

 

 

 

 最新アルバム『Eye of the Storm』

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初めてこの曲を聴いたときは本当に驚いた。

 

「Change」は最新アルバム『Eye of The Storm』で最初にリリースされた曲であるが、その曲名通りかつて彼らが鳴らしていたギターロックサウンドから脱却し、驚異的な変貌を遂げた。

 

最新アルバム『Eye of The Storm』はアルバムを通してすべての曲が、エレキギターの音はほとんど聴こえず、ドラムも打ち込みのビートとシンセベースで構築されており、ロックバンドの音とは到底思えない。

ファンからの最新アルバムの評価も

  • 「とにかく耳に残らない」
  • 「さよならONE OK ROCK」
  • 「これじゃONE OK POPだ」

とこれまでにないほど酷評が目立った。

 

曲自体はシンプルで要らない音を削ぎ落として洗礼された非常に高いレベルの曲ばかりで、Takaの圧倒的な歌唱力は本当の意味で“世界基準”と言っていいだろう。

 

でもこれもうTakaのソロアルバムじゃないか。

Taka以外要らないじゃないか。

 

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たしかにロックバンドという前提抜きにすれば過去最高傑作のアルバムではある。

 

けど、それじゃもうわざわざONE OK ROCKを聴く必要なくないか?

 

音楽なんてこの世界に星の数ほどあるけれど、その中で僕たちファンたちは「ワンオクの色」に惹かれて好きになったわけで。

 

ワンオクらしさのないワンオクはもう、ただのTakaが歌っているだけの音楽でしかない。

 

 

これからのONE OK ROCKが世界で売れるために路線を変えることは大いに構わないし、むしろ応援したいが、Takaだけのバンドになってしまうのは悲しいし、他のメンバーが不憫でならない。

 

 

ワンオクのやりたいことや最終目標は本人たちにしか分からないことであるが、彼らがこれまで追い続けていたものは本当にこの先にあるのだろうか。

 

 

僕は“いい”と思ってもいないものを、自分の気持ちを押し殺して“いい”ということがパクチーの次に嫌いなので、最後は批判ばかりになってしまったが、みなさんは最近のワンオクをどう思うでしょうか。

 

僕は、好きではない。